2ちゃんねるのまとめサイトで素敵なエピソードを見付けたので載っけてみます。
ちょと長いけどお手すきの方は読んでみて下さい。
感謝の心を持つって大事な事やね( ̄  ̄)(_ _)、、、
俺の家は小さなパン屋をしていた。親父がパンを焼いて、お袋が店で売るという店員2人の小さな店だった。
俺は幼稚園のころから店を手伝っていた。 すぐ横にはおじさんがやっている豆腐屋もあったので、かけもちで手伝っていた。 友達と遊ぶのも良かったが、店でお客さんと話す方が好きだった。
俺が中学生のころ、うちの店によく来る親子連れがいた。決まって食パンとラスクとパンの耳を買っていった。お袋はいつも一緒に来る女の子にアンパンをあげていた。
お袋は「あの人は可哀想な人なのよ」と言っていたが俺にはよく分からなかった。しかし、アンパンをあげた時の嬉しそうな顔は本当に絵に描いたような笑顔だった。
それからしばらくして、お店に来たお客さんの話でお袋の言葉の意味が分かった。その家庭は母子家庭で子供が4人もいた。早くに親父さんをなくして母親1人で育てていた。
しかも、その兄弟の1人が中学生で俺と同じ部活の後輩だということも分かった。
その後輩は女の子で普通の子だった。ただ、思い出して見ると、お弁当を忘れて来る日が結構あった。俺はそのことと、聞いた話とが一気に合わさった。
俺はショックだった、どうして今まで気付かなかったのかと悔やんだ。別に何をしてあげるというわけでもないのに、とにかく自分の無神経さに腹が立った。
俺は次の日から、その後輩に話しかけるようにした。できるだけ近くにいようとした。そうしないと気がすまなかった。
俺はお弁当を2人前持って登校するようにしていた。うちの中学は弁当は部室で食べることが基本になっていたので、後輩がお弁当を持っていないと分かったときには「俺もう食えないから1つ食ってくんない?」とあげることにした。
遠慮しながらも「ありがとうございます」と嬉しそうな顔をしてくれるのが俺の何よりの楽しみだった。
ある日、うちの店に後輩といつもの女の子が買い物に来た。俺の知っている限り、後輩がうちの店に来たのははじめてだった。
後輩は恥ずかしそうにいつもの買い物をした。そのときにボソッと「いつも気を使っていただいてすみません。私のうちは貧乏なもので…」と後輩が言ったとき、俺は涙が出てきた。お袋も泣いていた。後輩も泣いていた。
俺は手当たり次第、店のパンを袋に詰め、隣のおじさんの店の豆腐もふんだくってきて後輩に渡した。しかし、後輩は受け取らなかった。
「生活はできているんです。贅沢はできないけど大丈夫です!」と明るく笑顔を見せて言った。俺は恥ずかしくなった。自分が情けなく感じていた。
すると親父が出てきて「1度袋に入れたパンなんか売り物になるか、その子によくお願いして持って帰ってもらえ!」と一言言ってまた引っ込んでいった。頑固親父らしい言葉だった。
お袋は「重くて大変だから持って行ってあげなさい」と俺に気を使ってくれたようだった。
家まで送って行く途中、色々な話をした。今までの生い立ち、今の生活のこと、なくなった親父さんのこと、将来のこと、できるだけゆっくり歩いて話した。俺の知らない苦労をしてきているんだと思った。俺がお弁当をわざと2つ持っていっていることは気付かれていた。
家に送っていった直後、後輩のお袋さんが謝りに来た。「余計なことを言って乞食のようなまねをしてすみません」と土下座をして謝っていた。
俺は、俺が余計なことをしてしまった今までのいきさつをお袋さんに話すと、お金だけは支払うとお金を払うといって聞かない。俺とお袋は困ってしまっていた。
すると親父が出てきて「うちのパンの値段を決めるのは俺だ、お客さんが決めるんじゃない。俺が金はいらないといったらいらないんだ。それが俺の決めた値段だ。」
そう言うと親父はまた引っ込んでいった。後輩のお袋さんもやっと納得してくれた。
次の日、後輩が俺の弁当を作ってきてくれた。これが飛び上がるくらい嬉しいってことかって思うくらい嬉しかった。そしてそのとき「何かお礼がしたいんですが…」といっていた。
家に帰って親父達に相談した結果、うちの店を手伝ってもらうことにした。給料はないけどその日に残ったパンは全部持って帰っていいという条件だった。後輩は大喜びだった。
次の日から後輩が店に来るようになった。とっても明るくなった気がした。
親父も昼からはほとんど焼かなかったのに、夕方になって残りが少なくなりそうになったら、あわてて焼くようになった。結構気を使っているようだった。
風邪をひいても毎日うちに手伝いに来た。店が休みの時にはうちの掃除なんかを手伝ってくれていた。いてあたりまえの存在になっていた。
俺はうちから1番近い公立高校に入ることになった。後輩は高校には行かずに働くつもりでいた。
後輩がうちで今まで通り雇ってくれないかと言ってきたとき「うちは高卒以上じゃないと雇わない。でも、高校に通いながら働くのだったら雇う。勤労学生の学費はうちで出す。」と親父が俺の方を見て、ニヤつきながら後輩に言った。
お袋と後輩は「すみません。すみません」「いいのよ。いいのよ」と泣きだす。 親父は1人うなずいている。 俺はなにが起きたのか分からなかった。
結局、後輩も俺と同じ高校に入学し、中学同様に仲良く生活していた。
高校を卒業して、俺も親父にパンの焼き方を教えてもらうことにした。1年遅れで後輩もうちで本格的に働くことになった。
後輩の下の弟と次女も俺と同じ高校に入りながら、おじさんのところの豆腐屋では弟が、うちでは妹が働いていた。
今では、弟はおじさんの右腕として住み込みで働いている。
妹もうちが業務拡大した時からのメンバーなので、なくてはならない存在となった。1番下の妹もうちでバイトをしながら高校に行っている。
俺と後輩には今年の夏、子供ができることになった。
>>291
去年結婚しました。
後輩のお袋さんも一緒に住めるようにうちを改造したので、今は大家族状態です。